リメンバランスサンデーの季節、プレミアリーグは英国らしい気候の試合が多くなる。
11月はすでに気温一桁に近くなり、冷たい雨と風にユニフォームのポピーパッチが晒される。そんな第11節
目次
ボーンマス1-0の勝利 後半猛攻見せるマンU、苦し紛れのシュートが精一杯
降格圏から抜け出し好調ニューカッスル、鬼門ウェストハムに勝利
アストンヴィラ先制、リヴァプールは苦戦するも90分から2得点
待望のエジル先発 ウルブズの逆転弾で連続のドロー
シェフィールドvsバーンリー 圧倒的なホームの声援
キングオブ4-4-2の華麗なブライトン ノリッジは沈黙
サウサンプトンは王者に先制 後半牙を剥いたシティの逆転勝利
プリシッチ好調のチェルシー ワトフォードに勝利
レスターはクリスタル・パレスと対戦 翼をさずかるヴァーディーの一撃
不運な事故のアンドレ・ゴメス 低調なシーズンのトッテナム
前半45分、ハリー・ウィルソンのサイドから崩すボーンマス、もちろんユナイテッドに守備の統率はない。ジョシュア・キングは体格を活かしたコントロールでゴールへ振り向いてボレー。デヘアの飛び出しもむなしくボールは股下を通る。何度でも言おう、ヤングのサイドを攻めればとりあえず勝てると。
後半残り20分まで流れはボーンマス。ウィルソンがポジションを変えながらロングボールを得て縦へ進む。高い位置でボールロストの目立つフレッジ。そのスポットにキング、ウィルソンが入ってシュートの形にするという、ボーンマスの攻撃に迷いのない3人がチャンスを作るというのが今季ボーンマス。
そしてユナイテッドは足が止まり始めた時間帯になってようやくシュートを増やす。が、これもラシュフォード、マルシャルが試合を作るわけじゃない。鋭いドリブルを見せるが反応するプレイヤーはいない。守備の揃うボーンマスに対し、エリア外のロングシュートを連発。集中を切らさないボーンマスは攻撃を処理してGKラムズデールの正面へと打たせる。ユナイテッドは15シュート中、フレッジ4本、マクトミネイ、ペレイラが3本ずつというように、ジェームズ、ラシュフォードがシュートに絡めていなかった。
レスターがサウサンプトンに大勝すると得失点の関係で順位を上げたニューカッスル。開幕こそマクシミン不在で苦しむが、スピード、コントロール、フィジカルの全てが揃うこの男が帰ってくるとボールが集まり多くのチャンスを作った。そしてシェルビのセットプレーが勝利を決定づけた。
ニューカッスルは3得点を重ねる。フリーキックをゴールエリア内の対角線に入れるシェルビ。ジョエリントンが折り返すとCBクラークが空中戦で勝利。
2点目は今シーズンのプレミアのトレンド、「サイドからサイドへ」をよくあらわす一撃。左WBウィレムスのロングボールを攻めあがっていた3CBのフェルナンデスが空中戦で勝利。頭で合わせる。
シェルビのFKで3点目を決めた後、ウェストハムは2点を返す。ボールを運ぶウェストハムの対応に、5バックとMFが連携を取れないニューカッスル。
ノーブル、ヤルモレンコが試合に入りきれず、マクシミン、ウィレムスのロングカウンターに対応を追われる。驚異的な抜け出しの嗅覚を再三見せるマクシミンに、長い距離を走れるアルミロンはフィリペ・アンデルソンのマークや中央の黒子役に追われ、ゴール前へのスプリントは少ない。両チームとも守備の統率、空中デュエルの問題はそのままだが、攻撃になるとやはり怖いものがある。
先制はアストン・ヴィラ。前半20分、セットプレーから逆サイドのトレゼゲへフリーで届くと先制点を流し込む。リヴァプールは自陣セットプレーの守備を、敵のマークよりラインをそろえて守ることを重視するため、飛び出しに枚数をかけられるとオフサイドをとれずフリーにさせることが多いが、まさにその形で決められる。本名マフムード・ハッサン、トレゼゲに似ているというシンプルな理由でこのフィールドネームらしい。
その後、お互い自分たちの攻撃の形を作りあって探り合う。が、ヴィラ4シュートに対しリヴァプールは25本シュートを放つ。
それでも点が遠いのはやはり先発起用のララーナがいることだろう。ファビーニョに代わり中盤センターをつとめるが、いままでのリヴァプールならTAAかロバートソンにボールを振りビルドアップがスタートするところを、CBと距離が近いララーナを経由することで普段の攻撃の流れにワンテンポ遅れが出ていた。この遅れたわずかの時間で、エル・ガジやウェズリーが守備をスタートすると、ヴィラの守備は整う充分な時間を作り出せていた。
このままリヴァプール敗戦かと思っていると、攻撃に枚数をかけられヴィラの守備スピードが遅れはじめる。マネのロングボールを逆サイドロバートソンが合わせた後、CKをマネがニアでそらして逆転。90分からの思いもよらぬ2得点にヴィラは肩を落とした。
セカンドボールをエジルに集め、攻撃のスイッチが入るアーセナル。エジルが先発し、オーバメヤン、ラカゼットに効果的なキーパスが増えるかと思われたが、結果3本のみ。ドリブルのチャレンジも限りなく0に近い数値。シュートは0本。それもそのはず、フィニッシュを受けにすら走らないのだから。
ウルブズが絶えずペースを握る。モウチーニョ、ルベン・ネヴェスの横並びにアーセナルは対応できず、ジョタ、ヒメネスが動いてチャンスをつくる。トラオレは試合になかなか入れず、2.5列をうろうろしていた。デンドンケルとの位置関係、プレーがはっきりしないため右ウィングで攻撃するかウィングバックで攻めきらないかを迷っていた。しかしアーセナルのティアニーの仕事もよかったといえる。
セバージョスがいい持ち運びを見せるが、エジルを数に数えないのでやはり枚数が足りないアーセナル。前半21分、グエンドゥジの運んだ右サイドから、ラカゼット、オーバメヤンへ平行に崩して先制するが、76分、ハイボールを競り勝ったヒメネスが1点を返す。エメリがトレイラに代えてサカを投入した直後のことである。トラオレサイドで自由度が増したウルブズが攻めかかるが、2点目には至らなかった。
サイドラインを突破し、逆サイドへボールを送るという今シーズンのトレンドで戦えるシェフィールドがホームで強さを見せ、スプリントの枚数にマークをしきれないバーンリーが集中力を欠き、3ゴール。
バーンリーは前節から安直なミス、ロストが目立ち、リズムを保てない。アシュリー・バーンズ、ジェイロドリゲスにボールが届かぬまま、シェフィールド前線のハイプレス、四角形のゾーンでマークされて苦しむ。前節から運動量の落ちてきたバーンリーに怖さはなかった。
2勝1分8敗、7pt、怪我人も多く本職のDFを欠く散々な昇格1年目のノリッチは、昇格するだけあってポテンシャルを秘めた選手を多く有するが、プレミア在籍2年目のブライトンもポッター招聘で躍進する。
ゴールは68分、ニアに走るトロサールへモントーヤの足の振りが速いクロス。ニアサイドでいかにテクニカルになれるかが問われる現代サッカーで、トロサールはボールに少し触れて、名GKクルルとポストのわずかな間に流し込む。
84分にブライトンは追加点。セットプレーからゴールへ向かう回転性のクロスにダフィーが合わせて2点目。試合終了。
ブライトンはシュート数21、支配率59% シュート数においてノリッジの3倍の結果を出す。ポッター監督の4-4-2は王道のポゼッション。三列のラインを揃えつつ、パスアンドゴーで数的有利を作りながら敵陣へと進入する。サイドで保持をして前進につまづいても、ラインが整っているため中央に横パスするだけで崩しがスタートするという、シャビ、イニエスタ、ブスケツの横並びのような完成度。
対するノリッジはボールを保持してペースをつかむ練習がうかがえるからこそ、オフザボールで取りどころをしぼるプランがないためポゼッションで上手のブライトンに攻め続けられてしまう。最終ラインからパス2本で敵陣深くへ進入するブライトンに、DFリーダー不在のノリッジはなすすべが無い。身長はないがフィジカルで南米以上の脅威になる7番マーペイも随所で効果的なポジションをとっていた。
マンチェスター・シティホームで先制したサウサンプトン。前半13分に雨で塗れた芝がスリップ。キャッチをミスしたエデルソンのボールにワードプラウズが詰めて得点を挙げる。今季のエデルソンはどこか集中力が無く、不用意なミスが目立つ。
シティはワイドに攻めるが、セインツも負けじとワイドな形をとり、マンツーマン気味でハードワーク。崩しきれないシティは苦し紛れのロングボールをゴール前に放り込むのみ。
しかし後半、セインツはスタミナが切れはじめると、ボールを前へ送るスピードを速めるシティに後手後手になる。デブライネをフリーにさせると、グラウンダーのクロスをアグエロが流し込む。
セインツGKマッカーシーはクロスボールの判断に飛び出しを選ぶが、パンチングのチャレンジは失敗。サイドクロスはシルバの足元に落ち、無人のゴールに流し込む。
難しいシーズンを送るワトフォードと、若手中心のサッカーが戦術になりいよいよ足元が固まったチェルシー。ワトフォードはホームの利を活かすことなく、1-2と敗戦。
シュートを積極的に狙うプリシッチと、サッカーIQの高さを随所にうかがわせるチェルシー生え抜きのエイブラハムとマウント。トモリが最終ラインで堅実にプレーするのも、チームにさぼる理由を与えず心地よい労働倫理を徹底させるのがわかる。さらに十年戦う準備ができる恐ろしいチームである。
先制はチェルシー。ジョルジーニョの回転するスルーパスがエイブラハムの抜け出し、フリーになるタイミングとどんぴしゃり。追加点はプリシッチ。サイドに抜けたエイブラハムと、中央へ侵入するウィリアン。ワトフォードはマークの時間もなく、プリシッチがゴールエリアへ陣取り、エイブラハムの横パスを流す。
後半終了間際にPKを獲得したワトフォードが1点を返すが、やはり何かしらの結果や記録等で上回ることができないワトフォードはチェルシーに支配され敗戦。ここにきてもまだ自身がメッシだと信じるデウロフェウは、プレミアの厄病神であることが明らかになった。
パレスのホームへ乗り込んだ好調3位キープのレスター。メンバーは順当に先発し、難敵パレスと対戦する。
試合開始と同時にホームパレスは声援を受けザハ、アイエゥのホットラインから得点を探る。しかしじわりじわりと格の違いを見せるレスター。
セカンドボールをことごとく拾うフィールドプレイヤーのポジショニングの良さが、支配と攻撃につながり、デュエルを恐れる選手がいないこともチャンスメイク、相手のチャンスブロックにつながる。ヴァーディーの一発に気をつけたいパレスCBケーヒル(元チェルシー)も対応に問題はない。
先制はレスター、コーナーキックの混戦からフリーのソユンジュが押し込む。
主審アトキンソンは錯乱するソン・フンミンに退場を命じる。16位エヴァートンからすると、レッドカード、懲罰ものの危険行為。しかし11位トッテナム、FA(イングランドサッカー協会)はいまだ明確な罰則を出さない。
前半は不調に陥る両者が過去を思い返しながら攻撃の形を試すような試合展開。個人の能力で自由度を与える戦術が裏目に出ていた。両クラブとも名手は打開力に詰まり、ボールロストと体裁をつくろうプレスに奔走する。
ゴールは62分、エヴァートンのバックパスをデレ・アリが拾い、自らが決める。
そして79分、ソン・フンミンが上記のタックルで退場になるとアディショナルタイム12分、エヴァートン、トスンが1点を返す。
試合内容で言えば事故も合わせて最悪の内容。両者いまの順位に合っているというような試合のデキであった。
次回12節、いい夜を。
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ボーンマス1-0の勝利 後半猛攻見せるマンU、苦し紛れのシュートが精一杯
降格圏から抜け出し好調ニューカッスル、鬼門ウェストハムに勝利
アストンヴィラ先制、リヴァプールは苦戦するも90分から2得点
待望のエジル先発 ウルブズの逆転弾で連続のドロー
シェフィールドvsバーンリー 圧倒的なホームの声援
キングオブ4-4-2の華麗なブライトン ノリッジは沈黙
サウサンプトンは王者に先制 後半牙を剥いたシティの逆転勝利
プリシッチ好調のチェルシー ワトフォードに勝利
レスターはクリスタル・パレスと対戦 翼をさずかるヴァーディーの一撃
不運な事故のアンドレ・ゴメス 低調なシーズンのトッテナム
ボーンマス1-0の勝利 後半猛攻見せるマンU、苦し紛れのシュートが精一杯
やはりボーンマスはハリー・ウィルソン、カラム・ウィルソン、J・キングの縦へ突破する力を頼りにマンUのエンドまでボールを運ぶ。守備に怖さのない弱いユナイテッドはワンビサカもマグワイアもこれといったプレーはない。前半45分、ハリー・ウィルソンのサイドから崩すボーンマス、もちろんユナイテッドに守備の統率はない。ジョシュア・キングは体格を活かしたコントロールでゴールへ振り向いてボレー。デヘアの飛び出しもむなしくボールは股下を通る。何度でも言おう、ヤングのサイドを攻めればとりあえず勝てると。
後半残り20分まで流れはボーンマス。ウィルソンがポジションを変えながらロングボールを得て縦へ進む。高い位置でボールロストの目立つフレッジ。そのスポットにキング、ウィルソンが入ってシュートの形にするという、ボーンマスの攻撃に迷いのない3人がチャンスを作るというのが今季ボーンマス。
そしてユナイテッドは足が止まり始めた時間帯になってようやくシュートを増やす。が、これもラシュフォード、マルシャルが試合を作るわけじゃない。鋭いドリブルを見せるが反応するプレイヤーはいない。守備の揃うボーンマスに対し、エリア外のロングシュートを連発。集中を切らさないボーンマスは攻撃を処理してGKラムズデールの正面へと打たせる。ユナイテッドは15シュート中、フレッジ4本、マクトミネイ、ペレイラが3本ずつというように、ジェームズ、ラシュフォードがシュートに絡めていなかった。
降格圏から抜け出し好調ニューカッスル、鬼門ウェストハムに勝利
レスターがサウサンプトンに大勝すると得失点の関係で順位を上げたニューカッスル。開幕こそマクシミン不在で苦しむが、スピード、コントロール、フィジカルの全てが揃うこの男が帰ってくるとボールが集まり多くのチャンスを作った。そしてシェルビのセットプレーが勝利を決定づけた。
ニューカッスルは3得点を重ねる。フリーキックをゴールエリア内の対角線に入れるシェルビ。ジョエリントンが折り返すとCBクラークが空中戦で勝利。
2点目は今シーズンのプレミアのトレンド、「サイドからサイドへ」をよくあらわす一撃。左WBウィレムスのロングボールを攻めあがっていた3CBのフェルナンデスが空中戦で勝利。頭で合わせる。
シェルビのFKで3点目を決めた後、ウェストハムは2点を返す。ボールを運ぶウェストハムの対応に、5バックとMFが連携を取れないニューカッスル。
ノーブル、ヤルモレンコが試合に入りきれず、マクシミン、ウィレムスのロングカウンターに対応を追われる。驚異的な抜け出しの嗅覚を再三見せるマクシミンに、長い距離を走れるアルミロンはフィリペ・アンデルソンのマークや中央の黒子役に追われ、ゴール前へのスプリントは少ない。両チームとも守備の統率、空中デュエルの問題はそのままだが、攻撃になるとやはり怖いものがある。
アストンヴィラ先制、リヴァプールは苦戦するも90分から2得点
先制はアストン・ヴィラ。前半20分、セットプレーから逆サイドのトレゼゲへフリーで届くと先制点を流し込む。リヴァプールは自陣セットプレーの守備を、敵のマークよりラインをそろえて守ることを重視するため、飛び出しに枚数をかけられるとオフサイドをとれずフリーにさせることが多いが、まさにその形で決められる。本名マフムード・ハッサン、トレゼゲに似ているというシンプルな理由でこのフィールドネームらしい。
その後、お互い自分たちの攻撃の形を作りあって探り合う。が、ヴィラ4シュートに対しリヴァプールは25本シュートを放つ。
それでも点が遠いのはやはり先発起用のララーナがいることだろう。ファビーニョに代わり中盤センターをつとめるが、いままでのリヴァプールならTAAかロバートソンにボールを振りビルドアップがスタートするところを、CBと距離が近いララーナを経由することで普段の攻撃の流れにワンテンポ遅れが出ていた。この遅れたわずかの時間で、エル・ガジやウェズリーが守備をスタートすると、ヴィラの守備は整う充分な時間を作り出せていた。
このままリヴァプール敗戦かと思っていると、攻撃に枚数をかけられヴィラの守備スピードが遅れはじめる。マネのロングボールを逆サイドロバートソンが合わせた後、CKをマネがニアでそらして逆転。90分からの思いもよらぬ2得点にヴィラは肩を落とした。
待望のエジル先発 ウルブズの逆転弾で連続のドロー
先制して、返されて、12節レスター戦でようやく負けるがそれは置いておいて、ホームのアーセナルはやはり試合を支配できない。セカンドボールをエジルに集め、攻撃のスイッチが入るアーセナル。エジルが先発し、オーバメヤン、ラカゼットに効果的なキーパスが増えるかと思われたが、結果3本のみ。ドリブルのチャレンジも限りなく0に近い数値。シュートは0本。それもそのはず、フィニッシュを受けにすら走らないのだから。
ウルブズが絶えずペースを握る。モウチーニョ、ルベン・ネヴェスの横並びにアーセナルは対応できず、ジョタ、ヒメネスが動いてチャンスをつくる。トラオレは試合になかなか入れず、2.5列をうろうろしていた。デンドンケルとの位置関係、プレーがはっきりしないため右ウィングで攻撃するかウィングバックで攻めきらないかを迷っていた。しかしアーセナルのティアニーの仕事もよかったといえる。
セバージョスがいい持ち運びを見せるが、エジルを数に数えないのでやはり枚数が足りないアーセナル。前半21分、グエンドゥジの運んだ右サイドから、ラカゼット、オーバメヤンへ平行に崩して先制するが、76分、ハイボールを競り勝ったヒメネスが1点を返す。エメリがトレイラに代えてサカを投入した直後のことである。トラオレサイドで自由度が増したウルブズが攻めかかるが、2点目には至らなかった。
シェフィールドvsバーンリー 圧倒的なホームの声援
ボールを保持したら縦へスプリントする素早い戦術を徹底し、好調のシェフィールド。リス・ムセ、ひげが特徴のマクゴールドリック、スプリンターのランドストラムが攻撃の流れをつくる。サイドラインを突破し、逆サイドへボールを送るという今シーズンのトレンドで戦えるシェフィールドがホームで強さを見せ、スプリントの枚数にマークをしきれないバーンリーが集中力を欠き、3ゴール。
バーンリーは前節から安直なミス、ロストが目立ち、リズムを保てない。アシュリー・バーンズ、ジェイロドリゲスにボールが届かぬまま、シェフィールド前線のハイプレス、四角形のゾーンでマークされて苦しむ。前節から運動量の落ちてきたバーンリーに怖さはなかった。
キングオブ4-4-2の華麗なブライトン ノリッジは沈黙
2勝1分8敗、7pt、怪我人も多く本職のDFを欠く散々な昇格1年目のノリッチは、昇格するだけあってポテンシャルを秘めた選手を多く有するが、プレミア在籍2年目のブライトンもポッター招聘で躍進する。
ゴールは68分、ニアに走るトロサールへモントーヤの足の振りが速いクロス。ニアサイドでいかにテクニカルになれるかが問われる現代サッカーで、トロサールはボールに少し触れて、名GKクルルとポストのわずかな間に流し込む。
84分にブライトンは追加点。セットプレーからゴールへ向かう回転性のクロスにダフィーが合わせて2点目。試合終了。
ブライトンはシュート数21、支配率59% シュート数においてノリッジの3倍の結果を出す。ポッター監督の4-4-2は王道のポゼッション。三列のラインを揃えつつ、パスアンドゴーで数的有利を作りながら敵陣へと進入する。サイドで保持をして前進につまづいても、ラインが整っているため中央に横パスするだけで崩しがスタートするという、シャビ、イニエスタ、ブスケツの横並びのような完成度。
対するノリッジはボールを保持してペースをつかむ練習がうかがえるからこそ、オフザボールで取りどころをしぼるプランがないためポゼッションで上手のブライトンに攻め続けられてしまう。最終ラインからパス2本で敵陣深くへ進入するブライトンに、DFリーダー不在のノリッジはなすすべが無い。身長はないがフィジカルで南米以上の脅威になる7番マーペイも随所で効果的なポジションをとっていた。
サウサンプトンは王者に先制 後半牙を剥いたシティの逆転勝利
マンチェスター・シティホームで先制したサウサンプトン。前半13分に雨で塗れた芝がスリップ。キャッチをミスしたエデルソンのボールにワードプラウズが詰めて得点を挙げる。今季のエデルソンはどこか集中力が無く、不用意なミスが目立つ。
シティはワイドに攻めるが、セインツも負けじとワイドな形をとり、マンツーマン気味でハードワーク。崩しきれないシティは苦し紛れのロングボールをゴール前に放り込むのみ。
しかし後半、セインツはスタミナが切れはじめると、ボールを前へ送るスピードを速めるシティに後手後手になる。デブライネをフリーにさせると、グラウンダーのクロスをアグエロが流し込む。
セインツGKマッカーシーはクロスボールの判断に飛び出しを選ぶが、パンチングのチャレンジは失敗。サイドクロスはシルバの足元に落ち、無人のゴールに流し込む。
プリシッチ好調のチェルシー ワトフォードに2-0勝利
難しいシーズンを送るワトフォードと、若手中心のサッカーが戦術になりいよいよ足元が固まったチェルシー。ワトフォードはホームの利を活かすことなく、1-2と敗戦。
シュートを積極的に狙うプリシッチと、サッカーIQの高さを随所にうかがわせるチェルシー生え抜きのエイブラハムとマウント。トモリが最終ラインで堅実にプレーするのも、チームにさぼる理由を与えず心地よい労働倫理を徹底させるのがわかる。さらに十年戦う準備ができる恐ろしいチームである。
先制はチェルシー。ジョルジーニョの回転するスルーパスがエイブラハムの抜け出し、フリーになるタイミングとどんぴしゃり。追加点はプリシッチ。サイドに抜けたエイブラハムと、中央へ侵入するウィリアン。ワトフォードはマークの時間もなく、プリシッチがゴールエリアへ陣取り、エイブラハムの横パスを流す。
後半終了間際にPKを獲得したワトフォードが1点を返すが、やはり何かしらの結果や記録等で上回ることができないワトフォードはチェルシーに支配され敗戦。ここにきてもまだ自身がメッシだと信じるデウロフェウは、プレミアの厄病神であることが明らかになった。
レスターはクリスタル・パレスと対戦 翼をさずかるヴァーディーの一撃
パレスのホームへ乗り込んだ好調3位キープのレスター。メンバーは順当に先発し、難敵パレスと対戦する。
試合開始と同時にホームパレスは声援を受けザハ、アイエゥのホットラインから得点を探る。しかしじわりじわりと格の違いを見せるレスター。
セカンドボールをことごとく拾うフィールドプレイヤーのポジショニングの良さが、支配と攻撃につながり、デュエルを恐れる選手がいないこともチャンスメイク、相手のチャンスブロックにつながる。ヴァーディーの一発に気をつけたいパレスCBケーヒル(元チェルシー)も対応に問題はない。
先制はレスター、コーナーキックの混戦からフリーのソユンジュが押し込む。
追加点は4年間熟成させたポゼッションサッカーで3位につける新スタイルをよく表したものだった。チルウェルが高い位置でボールをもつと後半投入のグレイらがポゼッションランニングでパスコースを作る。中央で動き出すヴァーディーへグレイのラストパス。イーグルパフォーマンスで喜びを表すヴァーディーは得点王暫定首位につける。
試合は2-0で終了するが、レスターの決定力を抜きにしてもホームパレスは攻撃のチャンスを幾度もつくる。素早くザハに送り、アイエゥにキープさせてチャンスをつくる形で攻めるが、リヴァプールに肩を並べるレベルの最終ライン、リカルド・ペレイラやチルウェルが攻撃を摘む。ソユンクはその圧倒的なフィジカルで主審のジャッジ、ファール判定のレベルに波があるが、この試合はクリーンタックルを認められ、アイエゥのフィジカルでも突破が難しかった。
第二のミラクルに近づくレスター、王者の戦い方を心得たチームの強みを随所に見せてくれている。
試合は2-0で終了するが、レスターの決定力を抜きにしてもホームパレスは攻撃のチャンスを幾度もつくる。素早くザハに送り、アイエゥにキープさせてチャンスをつくる形で攻めるが、リヴァプールに肩を並べるレベルの最終ライン、リカルド・ペレイラやチルウェルが攻撃を摘む。ソユンクはその圧倒的なフィジカルで主審のジャッジ、ファール判定のレベルに波があるが、この試合はクリーンタックルを認められ、アイエゥのフィジカルでも突破が難しかった。
第二のミラクルに近づくレスター、王者の戦い方を心得たチームの強みを随所に見せてくれている。
不運な事故のアンドレ・ゴメス 低調なシーズンのトッテナム
主審アトキンソンは錯乱するソン・フンミンに退場を命じる。16位エヴァートンからすると、レッドカード、懲罰ものの危険行為。しかし11位トッテナム、FA(イングランドサッカー協会)はいまだ明確な罰則を出さない。
前半は不調に陥る両者が過去を思い返しながら攻撃の形を試すような試合展開。個人の能力で自由度を与える戦術が裏目に出ていた。両クラブとも名手は打開力に詰まり、ボールロストと体裁をつくろうプレスに奔走する。
ゴールは62分、エヴァートンのバックパスをデレ・アリが拾い、自らが決める。
そして79分、ソン・フンミンが上記のタックルで退場になるとアディショナルタイム12分、エヴァートン、トスンが1点を返す。
試合内容で言えば事故も合わせて最悪の内容。両者いまの順位に合っているというような試合のデキであった。
次回12節、いい夜を。