代表ウィーク明け、ポッチェッティーノ解任のニュースが飛び込んだ。後任はアーセナルとも噂があったフリーのモウリーニョ。そして水面下ではもうひとつの動き、近年活躍が目覚しいリールでBIPも育てた同郷ポルトガルのアシスタントマネージャー、ジョアン・サクラメントの引き抜きも成功。アーセナルのエメリは13節がプレミアラスト試合となった。ELでフランクフルトの鎌田大地に2ゴール敗戦のち、解任となった。
前節も踏まえたチーム状況、得失点シーン、一言を全試合観戦DFびいきの私の視点でお送りします。




目次

モウリーニョ初陣! ウェストハムvsトッテナム

エメリのプレミアリーグラスト試合! vsサウサンプトン

ブライトンvsレスター バーディー意地のPK

ワトフォードvsバーンリー ハーフタイムに修正したバーンリー勝利

サラー軽傷未招集、ザハ初ゴールのクリスタル・パレスvsリヴァプール

1人退場ボーンマスvsウルヴァーハンプトン 天才産出国のポルトガル人が光る

攻撃特化エヴァートンは裏目のシーズン 炎のノリッジはキャントウェル躍動

マンチェスター・シティvsチェルシー 天下分け目のトップ争い

強ユナイテッドvs弱ユナイテッド 戦術・ストライカー追加でドロー

アストン・ビラvsニューカッスル マクシミンは守備中心


モウリーニョ初陣! ウェストハムvsトッテナム

代表ウィーク明けてすぐポッチェッティーノ解任の速報が流れた。ついで、リールのジョアン・サクラメントを引き抜いたとも。

確かにモウリーニョがトッテナムの仕事を引き受けるのも理解できる。モウリーニョ好みのトップ下、スタミナ、フィジカル、プレスの偏差値の高さ、ボールを持てば時間を使いこなせるデレ・アリ。PA内の強さとトップ下との距離感の理解があるハリー・ケイン。イブラヒモビッチ、カバーニに鍛えられた当時指折り数える右SB、名クロッサーのオーリエ。経歴、能力、相性等盤石のフェルトンゲン、アルデルバイレルト。スプリント力でカウンター戦術にも対応できるソンとルーカス・モウラ。ベテランのチャンピオンGKロリス。一年半のフリー期間を経てトッテナムに就任したリーダーは、チェルシー、ユナイテッドという敵を作ってでも無冠続きのトッテナムで仕事することを選んだ。さて、高級ホテルに惹かれたのか、本当にトッテナムでの仕事に惹かれたのか、来年まで分からない。


対するウェストハムもマンCなどを率いた実績があるペジェグリーニは解任の噂が立ちはじめた。フィリペ・アンデルソン、セバスティアン・アレと続いてクラブ最高額の移籍を更新し国際舞台へ本腰を入れはじめているハマーズにとって、最低でもELに出場したいところだろう。

35分、デレアリからソン・フンミンへ縦の速いパス。アジア最高の選手は反転してすかさずフェイントを入れる。足を振るスペース、タイミングを作り先制点を上げる。

42分、スパーズが追加点。速いパス回しに対応できないハマーズ。アリとソンがサイドで崩し、大外を走り込むルーカスへクロス。DFとGKの嫌なコースに入れるソンの技術はもちろんだが、走力のある選手に対応しきれないウェストハムの自力が劣る。ルーカスがつま先ひとつ勝り追加点2-0

49分 右サイドで列を上げたオーリエ、PSGで鍛えられたクロス精度は裏に走るケインに合わさり3-0。ルーカス1人にオフサイドラインがつられるDFの集中力ではプレミア上位は厳しいだろう。

今日のオーリエのオーバーラップのタイミングのように、攻撃のメリハリが60分まで続いたスパーズだったが、終盤試合の締めはハマーズに譲ってしまう。

これまで攻撃の糸口がないウェストハムはブラジルの一発屋に変えてアントニオを入れる。

73分、フィジカル、ドリブルコントロールの点ではプレミア及第点を叩き出すアントニオがゴール前でターンから足を振り抜き一点を返す。

96分、コーナーキックでマークをはずしたハマーズCBオグボンナが3-2とする。

試合は終了するが、前節までの中だるみした広大なスペースを縮め2列目を中心に攻撃のメリハリが見える点は好印象だが、エリクセン投入後、明らかに今年のダメなスパーズの部分が出ていた。

ウェストハムはボールを確かに回せるが、苦しまぎれのアレへのロングボールは得点のにおいがしない。ヤルモレンコ、フィリペ・アンデルソン、アレの連動が成立しないまま12月を迎えたハマーズは得点源のマネジメントが気になるところである。

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エメリのプレミアリーグ最終試合!vsサウサンプトン


いまだ降格の雰囲気をまとうサウサンプトンは自称戦術家エメリに振り回されるアーセナルと対戦。

スペクタクルなサッカー、勝てないヴェンゲルを解任後もやはりヴェンゲルが作り上げたアーセナルらしいサッカーを求めるわがままサポーターはことあるごとにホームチームへブーイング。強さもなく、連携もなく、メンバー発表とカメラのアップでしか存在を確認できないエジルもプレイヤーとしての過渡期を迎えている。チームを助けるプレーがひとつもないドイツの元プレイメイカーは過去の名声と同じ選手とは思えない残念な仕上がり。

前半8分、アーセナル陣地でセットプレーを得たセインツがリスタート。イングスがフリーで受け、自らが決める。

18分 ラカゼットが同点弾。オーバメヤンのシュートを弾いたが、こぼれてフリーのラカゼットの元へ。チェックを寄せる間もなくコントロールとシュートの素早い動作でゴールを上げる。


追加点は後半71分、サウザンプトンがPKゲット。アーセナルの腑抜けた試合運びに光明を差し込むプレーを見せていたティアニーだったが、攻撃に意識が向きマークの集中が欠けてPA内で手をかけてしまう。ワードプラウズが一度はレノに止められるがこぼれ球をすかさず押し込んだ。

このまま試合終了と思われたが90分、ベジェリンと交代したブラジルの18歳マルティネッリのクロスをGKマッカーシーが弾くが、大外のラカゼットに転がりこの日2点目。全く喜ばないので実況、解説、場内、主審をざわつかせたが純粋なゴールである。


オバ、ラカを最前線に置き、エジルがトップ下にいたらしいがカメラに抜かれるまで出場しているかどうかすら分からない。しょぼい横のはたき、ハーフラインでジョギングの守備。スライドができない選手ではないが、エメリの下で才能がいよいよ腐ってしまった印象。バネガのようなトップ下のプレーを期待しているのかもしれないが、率いている歴史あるクラブ、国際的に名の知れた選手を正しく理解していないエメリの功罪は大きい。ただ、エメリのマネジメント以前にチャンスクリエイトに素のプレーでさえ絡めていないエジルの劣化は目立つ。エメリを連れてきたフロントもどんな未来予想図を描いていたのだろうか。満場一致の解任となったわけだが、傷ついた誇り、失った自信を取り戻せる監督人事はいかに。暫定監督にはユングベリが就任した。

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ブライトンvsレスター バーディー意地のPK


前半はブライトンのワイドなロングボールに苦しむが徐々に試合を支配するレスター。

64分 ブライトンのCKをはじいてカウンターがスタート。バーディーのドリブルにペレスが併走。ラストパスを流し込む。

追加点はレスター。PKを蹴るバーディーは一度はマット・ライアンに止められるが、VARで仕切りなおし。ストップされたコースと同じコースに蹴る鉄の心臓ぶり。


前半はブライトンがチャンスを作るが決定力が劣る。ワイドにボールを揺さぶりつつ攻めてくるがレスターは守備の集中を切らさない。前半はショートパスが中心だったレスターだが、ハーフタイム後にパスの速さ、長さを上げてチャンスが増える。ブライトンのポゼッションを深い位置でカットするとバーディー、ペレスが走り始めるカウンターのフィニッシュも増えるが、GKマット・ライアンのビッグセーブが連発。
シュート数19に対し枠内シュート数が9だが、ライアンは7つのセーブを記録する。バーディーやチルウェル、バーンズの裏抜けに果敢に飛び出してみせた。
見てて楽しいポッター監督のポゼッションだが、プレミアリーグで守備スタッツトップを争う守備陣に牙をむくことはできなかった。パスのチルウェル、ドリブルのペレイラ、パーフェクトなソユンジュ、主審との交渉人エヴァンズ、ポジショニングでミスのないシュマイケル。後半終了間際エヴァンズと代わって入ったモーガンは試合感の無さから守備に危うい場面もあった。


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ワトフォードvsバーンリー ハーフタイムに修正したバーンリー勝利

カタルーニャの疫病神、デウロフェウは4シュート3枠内、キーパス数5、パス成功率も92%を記録するが、確固たるフィニッシャーもいないチームでは無駄な数値だろう。守備放置のくせはあるが、自分に近いところで回されるパスにはチェックの反応がよくなり、デュエルで勝利する場面も増える。しかしよりフィジカル的にボールを素早く前線に送る英国式を得意とするバーンリーがセットプレーで3得点する。


前半はワトフォードが細かく縦に回してチャンスをより多く作るが、得点には至らない。
こう着状態のまま後半53分 CKから長身クリス・ウッドがゴール。
次いでPKをアシュリー・バーンズが決める。
88分 左サイドのセットプレーが、右サイド大外のターコウスキーに流れてフリーで決めきる。

ロングボールを使うバーンリーと、バルサ産のドリブラーを何とか活かしたいワトフォード。お話にならない5バックはドゥクレ、カプエというフィルターもありバーンリーを跳ね返すが、セットプレーで弱さが露呈。13節終えて1勝のみのワトフォード。後半75分くらいから出場したほうがちょうどいいプレイスタイルのデウロフェウは、足元のプレイ範囲が狭く精度の高いパスが周囲のプレイヤーに求められるのが難点だろう。

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サラー軽傷未招集、ザハ初ゴールのクリスタル・パレスvsリヴァプール

代表ウィークが明けて、サラーが軽傷でチェンバレンが代わりに入った。


48分 深くに攻められボールウォッチャーになったパレスは何とかボールをはじくが、運よくこぼれてきたボールをマネが叩きつけるシュート。タイミングをはずされ1-0

80分 ザハの今シーズン初得点。アイエゥのPA内でのドリブルから、大外でマークのはずれていたザハにボールが渡ると、左足振りの速い強烈なシュート。試合は1-1に。

84分 コーナーキックをクリアしきれず、フィルミーノの足元へ。魔術師はすかさず反応し試合は2-1で終了。


スペースに放り込めばボールが収まり時間を作れるアイエゥ、ザハ、途中交代のベンテケをターゲットにして試合を進めるが、リヴァプールもブロックとプレスでがっぷりの対応。タウンゼントもホームで勢いが増しフィジカルありきのプレミア級ドリブル突破で試合を魅せる。

ロングボール、空中戦が多く、セカンドボールもうまく収まらないカウンターの形を作れないリヴァプールは攻撃に苦しむところをパレスはミリヴォイエビッチ、タウンゼントがアイエゥ、ザハを狙って攻めるが決定機を逃す。対するリヴァプールにはチャンスを逃さない強さがあった。空中戦に強いロヴレン、ファンダイクに挟まれアイエゥは競り勝つ場面が少ない。ザハ、タウンゼントがドリブルで流れを作るがリヴァプールは守備の枚数をそろえ、ぎちぎちのピッチを突破できずリヴァプールは手堅い勝ち点3を手にして首位キープ。


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1人退場ボーンマスvsウルヴァーハンプトン 天才産出国のポルトガル人が光る


開幕直後は波にのれずクトローネやジョタ、ラウルヒメネスら前線の形を探りながら勝ち点を落としていたがウルブズだが、ここに来て国際経験豊富なポルトガル人メンバーらが試合の芯を作り、トラオレの走力、ラウルの身長が得点の形として収まりはじめている。ボーンマスも走力のあるウィルソンに素早く送り込む戦術とプレミアリーグ経験豊富な選手、安定を見せる若いGKラムズデールが試合を引き締める。この試合勝者はウルブズ、ボーンマスは前半37分に退場者を出すと流れをウルブズに譲ってしまった。

21分、ウルブズ28番、ボランチの一角で出場したモウチーニョが、角度のないところから直接FKを突き刺す。ゴールから10~20度付近で蹴ったボールは大きな弧を描いて吸い込まれた。

31分 ウルブズの追加点。右サイドでセットプレーを得るとトラオレが裏へ抜け出し、ボーンマスはオフサイドラインを崩される。一馬身離れたラウルヒメネスが流し込み2-0

59分 コーナーキックからボーンマス、CBクックが1点を返して試合は終了。


右ウィング付近のポジションだが、どうやら二列目が好きらしいトラオレは好材料。ウィングバックが中央に守備の枚数をかけにいくとラインを下げる動きを自然にできるところからもカウンターマシンとしての立ち居地を理解していることが伺える。クロップ、ペップのスタイルはもちろんだが、レスターのポゼッション、ブライトンポッター監督の4-4-2、ランパードチェルシーの縦長のショートパスなど、コンセプトがはっきりしてきたが、ウルブズはネヴェス、モウチーニョのロングボール、ショートパスに器用に応える選手が多く、3バックを基本としながら明確な戦術を重視するよりも、このボランチ2人と周囲の信頼度が試される自由さがある。ボールを保持したときのくせから見ても、プレミアリーグのクラブらしさはいい意味で皆無。スペインやイタリアに近い試合運びで攻撃が遅く見えるが、確実に追い詰め、ウィークポイントを探りながらボールを回すポルトガル人のさすがのサッカー偏差値だと言わざるを得ない。モウチーニョのFKも圧巻。


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コーンローを金髪に染め、逆三角形の上半身もさらに太くなり、立ち姿がほぼラージャンのトラオレは、見ているだけで怖いものがある。



攻撃特化エヴァートンは裏目のシーズン 炎のノリッジはキャントウェル躍動


とにかく守備をしないウォルコット。運動量が落ちて惜しいところで顔をだせないシグルズソン。勤勉な動きでチームを助けるリシャルリソン。サイド攻撃に対応できる左SBディーニュと右SBシディベ。中央で構えているだけのトスン。ホームで攻撃に燃えるエヴァートンはクロスのシーンを見ても4枚、5枚近くの選手がノリッジ最終ラインで待っているという、バイエルンも真っ青の攻撃だが、運動量豊富なキャントウェル、ボールが収まるプッキに通されるとすぐに危険な状態を作られてしまう。


前半はホームで攻撃の枚数をかけるエヴァートンに対してノリッジが守備に集中する場面が多い。

54分、プッキにボールが渡り、キープでDFを引き寄せたところをすかさずサポートに走ったキャントウェル。そのまま裏へ飛び出し先制点をあげる。


90分 マークが厳しくなり試合に入れなくなったプッキ、縦横無尽に走りまくったキャンウェルが下がり、ドイツの25歳デニス・スルベニが終了間際、DFに戻ったシグルズソンが触ったボールが足元に転がってきたのを決めきった。


エヴァートンに見せ場はないが、GKクルルはさすがのポジショニングでノーミス。キャントウェルはヒートマップ全体に色を塗る圧巻の運動量。ドリブル、コントロールで抜群のセンスでチームを助ける。エヴァートンのスタジアムのように狭いピッチでこそ本領発揮するノリッジは3勝目。エヴァートンとの勝ち点差はわずか3であることからも、降格チームを決め付けるのはまだ早い。ワトフォード、サウサンプトンは本当にやばい気もするが、負傷から本職のDFが戦列復帰しているノリッジはここから連勝を期待したい。

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マンチェスター・シティvsチェルシー 天下分け目のトップ争い


首位リヴァプールを追うためにはどちらも負けられない重要な一戦。シティは右サイドにマレズが先発。一方チェルシーはマウントがベンチスタート、コバチッチ、カンテ、ジョルジーニョの中盤3枚が出場。


先制点はチェルシー。21分、素早いパスワークが実りコバチッチのシルキーなロングボールを飛び出したカンテがワンタッチでコントロール。鋭いシュートでカンテが今季3ゴール目

29分、シティはデブライネが1点を返す。トモリなんでその距離でその強さなの?と疑問が起きる強烈なパスをコントロールしきれないジョルジーニョがロスト。デブライネがすかさずシュートするが、運悪くDFに当たり予想したコースの逆を突かれたケパ。


36分 マレズがコバチッチ、エメルソンのチェックの間をカットイン。ファーサイドへ鋭いシュートを決める。カットインマスターが逆転の大仕事をこなした。


試合は2-1でシティが勝利。後半攻撃に枚数をかけるチェルシーだが総シュート11本、枠内2本とフィニッシュ手前の攻防が試合のハイライトになった。足の重そうなアグエロはジェズスと交代する。
チェルシー左SBのエメルソンはファーストチョイスが不思議なくらい選手として、戦術として完成度の低さを露呈。パスの狙いどころ、ボールタッチの置きどころ、ボールを放す時間も周囲と比べて明らかに遅いため攻撃のテンポを悪くしてしまう。ダブルタッチで2人抜くカンテは成長ぶり、元トップ下の選手らしく中央二列目も悠々こなす恐ろしさを見せる。シティは総シュート15本、枠内は4本。アスピリクエタ、カンテ、ウィリアンに囲まれたスターリングはシュート0本に終わる。

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強ユナイテッドvs弱ユナイテッド 戦術・ストライカー追加でドロー


上位に食い込む昇格組みユナイテッドことシェフィールドは降格もありえるスールシャールの草サッカー集団と対戦。リードするユナイテッドだが、弱いほうのユナイテッドは後半相手のスタミナ切れ、守備を放棄した選手たちの温存していたスタミナで引き分けに持ち込む。


先制はもちろんシェフィールド。3バックの一角で久々の出場、フィルジョーンズがリスムセのショルダータックルに吹っ飛ばされると、元赤い悪魔は全員ボールウォッチャーへ。素人守備を尻目にデヘアは集中を切らさずファーストシュートをはじくが、シェフィールド4番フレックに押し込まれる。

追加点もシェフィールド。52分 フィジカルで圧倒的力量差があるマンチェスターの弱いクラブはリスムセのデュエルでボールロスト。攻撃の切り替えが早いシェフィールド、リセはそのままカウンターのスプリント。マグワイアが追いながらシュートコースを切っていたかもしれないが、コントロールの利いたシュートはデヘアも止められない。


72分 マンUが1点を返す。左WBで出場のブランドン・ウィリアムズのダイレクトシュート。マルシャルが中央で競ったボールが大外の初出場ウィリアムズに届いた形で初出場、初ゴール。

77分 右サイドからラシュフォードのクロス。途中出場グリーンウッドにぴたりと合いこちらもプレミアリーグ初ゴール。試合は2-2となる。

79分にはマンチェスターの逆転弾。ダニエル・ジェームズの走力にやっと見せ場が来る。この時間までD・ジェームズが何をしていたかというのは後に言及するとして。ジェームズがDFラインを全てつると、中央ラシュフォードがフリー。マイナスのボールを流し込んで逆転。3-2

だがここで終わらないのがユナイテッド。90分、日本の中学生でも守備は一発で行くなと教えられて育成されるがD・ジェームズはおかまいなし。右サイドで簡単にかわされると、PA内は混沌とする。マクバーニーにボールが渡ると、マグワイアの眼前、フリーでコントロールされ、同点弾を決められる。


現状では下位がふさわしい位置のマンチェスター。フィルジョーンズ、マグワイアの守備プラン・・・というより守備プランという言葉さえ知っているかどうか怪しいスールシャール。とにかく守備に戻らない、弱いチーム特有の運動量のなさが明らかなラシュフォード、ジェームズ。シーズン前半は一列目よりも二列目に近い位置でプレーして得点を重ねたジェームズもここにきて最終ラインにとどまるだけの無能ウィングに成り下がる。確かにプレミアで充分やっていける走力はあるが、フレッジ、ペレイラにそこまでのロングボール精度はない。期待されたマグワイア、ワンビサカもマンツーマン、カバーする選手のマネジメントが明確じゃないので個人でできる範囲の守備しかできないためポテンシャルが発揮できない。ただフィルジョーンズに関しては個人で競り負ける場面が多いため、この選手が出場する試合は相手にとってチャンスになるだろう。給料と選手の才能は一致しない。デヘア、マルシャル以外にチームのために働くサッカー偏差値の高い選手はいない現マンチェスターユナイテッドである。

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アストン・ビラvsニューカッスル マクシミンは守備中心


中位の勝ち点争いに加わりたい直下に降格圏がある両クラブ。ニューカッスルはマクシミンを中心とすることで得点チャンスを増やしたが、この試合に関してはヴィラの若い攻撃陣にロングボールを入れる戦術に対応するため左サイドのかなり低い位置でプレスに加わる。ボールを収めることができる唯一の選手を失ったニューカッスルはビラの攻撃を耐えるしかなくなる。


31分 先制はボールを保持しつづけるアストン・ヴィラ。PA内手前左サイド45度でFKを得るとワンタッチでコースを取り、アイルランドのレフティー、フリハンが芸術的なシュートを決める。

36分 フリハンの左サイドのフリーキックからアヤックス産エル・ガジがゴール前で反応、2点目を押し込む。

試合は2-0で終了。ニューカッスルの形といえば、相手CKをはじいたところをマクシミンがキープして超速攻カウンターが大きなチャンスになるが、スプリントしてサポートに入るアルミロンはマクシミンのプレミアリーグの指折り数えるほどの才能に答えることができない。この試合はジョエリントンが中央最前線で1人残り、ほかのメンバーはピッチ全体に展開して二列で守るが、イタリアカルチョも一笑に付す最悪の守備は変わらない。前節ボーンマスに勝利したマクシミンが二列目で時間を操る作戦は見られない。ただ、引いて守る戦術を敷いたニューカッスルに実直に従うマクシミンの姿勢からも、彼がワールドクラスの選手であることが見て取れる。よりロングボール、ショートパスの流れを支配できたヴィラが余裕の勝利。